向こう。

「?…どうゆうことだ。」

「そのままの意味だ。
俺はあいつの恋人なんかじゃない。
ましてや大切な人でもない。
俺は囮になる価値もないんだよ。」

自嘲気味に笑った。
副会長は驚いた顔をして、部長を見た。

「んー、そうなの?」

「ああ、そうだ。
だからこの拘束を解け。
こんな茶番、やるだけ無駄だ。」

部長は少し考える様子を見せ、再び怪しい笑みをした。

「やだ。」

「な…っ!」

きっぱりと言い切られ、今度はこっちが驚かされる。