向こう。

それは俺が叫ぶようなことをするということか。
現に、俺は柱のようなものに縛られている。

「そのうち分かる。
それより、僕の作ったラブレターはどうだったかい。
よく出来ていただろう?」

やはりあの手紙は偽物だったのか。

「確かにいい出来だったよ。
だがこんなことに使うのは評価しないがな。」

「ふふっ。
僕は使える能力を最大限使ったまでさ。」

眼鏡を直しながら、男は嬉しそうに言う。
これ以上何か言っても相手を喜ばせるだけだと思った俺は、話を変えた。