舞瀬は終始何か言いたそうだったが、俺は見て見ぬ振りをした。
こんなことをしても舞瀬の気持ちが変わる訳ないのに。
そう思っても身体が舞瀬を避けてしまう。

一日の授業を終えた俺は、帰る支度をしていた。
舞瀬は評議委員の仕事で最後の授業からいない。

「あ、春高ー。」

クラスメートの一人に呼び止められた。

「…何……?」

「なんかこれ、渡せって。」

何も書かれていない白い封筒を渡される。