「はぁ…」
結局、午後の授業をさぼってしまった。
本当は早退したかったのだが、荷物を取りに教室に戻れば舞瀬と会ってしまう。
それだけは御免だ。
だから今、荷物を取りに放課後の校舎にいるのだ。
静まり返っている廊下を歩き、教室に入る。
「あ、やっと来た。」
その声に振り向くと、窓側にある俺の机に座って、俺の鞄を手にしている舞瀬が立っていた。
「何で、俺の鞄を持っている…」
「あれ?
言ったよね。
一緒に帰るって。
もしかして、忘れてた?」
「…」
忘れてはいなかったが、もう帰ったと思っていた。
「ま、いいや。帰ろうか。」
「えっ、ちょっと、おい!」
手を握られ、引っ張られるように廊下を歩く。
舞瀬の手は、大きくて温かくて、冷たい俺の手を包んでいたのだった。
結局、午後の授業をさぼってしまった。
本当は早退したかったのだが、荷物を取りに教室に戻れば舞瀬と会ってしまう。
それだけは御免だ。
だから今、荷物を取りに放課後の校舎にいるのだ。
静まり返っている廊下を歩き、教室に入る。
「あ、やっと来た。」
その声に振り向くと、窓側にある俺の机に座って、俺の鞄を手にしている舞瀬が立っていた。
「何で、俺の鞄を持っている…」
「あれ?
言ったよね。
一緒に帰るって。
もしかして、忘れてた?」
「…」
忘れてはいなかったが、もう帰ったと思っていた。
「ま、いいや。帰ろうか。」
「えっ、ちょっと、おい!」
手を握られ、引っ張られるように廊下を歩く。
舞瀬の手は、大きくて温かくて、冷たい俺の手を包んでいたのだった。

