中森は坂野の方を見た。
坂野は一人だけ話が分からなくて不機嫌そうにしている。

「……三人だけで内緒話なんてずるい…」

少し可哀相だとは思うが、それとこれとは別だ。
俺はふるふると首を横に振った。

「ああ、春高が嫌なら言わんでおくで。
…まぁいつかばれるとは思うがな。」

それでもむやみに広めることはしたくない。
俺はそう強く願った。