わぁ―……。こんな姿、見たことないかも…。き、貴重だわ。

だけど………言われた女の子は今にも泣きそうな顔をしている。

私は嬉しさ…というより…その先輩を見てなんだか悲しくなった。

「先生、そんな冷たいこと言わないで下さいよ!
…先輩は、先生を思っての行動ですし。」

まぁ…力加減は強すぎだし、やり方も超強くだったけどね…。


私は勢いよく捕まれていた南の手を払うとそう言って立ち止まった。


私は、よく考えて、そう思ったんだ。

だって……

私だって一人の女の子。もしもそんなこと…、憧れてる人や、好きな人に…言われたりしたら……

そう思ったら勝手に体が動いていた。

もちろん南も、まわりの先輩も驚いたみたいに目を見開いている。

「え……?
あ、すいません…!」

クスッ……

私は、ハッとして頭を下げると南がまた優しく笑いかけてくれた。

「仕方ないな。

俺も、教師としての選択を誤ったな…。

すまなかったね。だが、これからは、気をつけろよ?」