ビクン…ッ

少し強い口調で言った南。南の口調に少しびっくりして体がビクッと飛び跳ねた。

「わりぃ…ちょっと感情的になっちまった。

ほら、着いた。迎え行くぞ“ママ”」

南が、私を“ママ”って呼んだ。私は南のママじゃないんだけどな(笑)

誰かにママって言われるのはまだ慣れていないから歯痒い。

「ぎゃ―……!」

こ、心愛…!?

車から降りると、外にまで心愛の泣き声が響いていた。
どうしたんだろう!?何かあったのかな?

…にしても、本当に不思議な泣き方。
おぎゃーじゃないんだよね……。


バタン

「心愛!」

「千里――………。

ほら、ママが帰ってきましたよぉ―。」

リビングへ行くと疲れきった顔をしたママが泣きじゃくる心愛を抱いていた。

「ア―――………!

……ッ!?」

あ、気づいたか…?
泣いていたのに、私の顔を見たとたん、心愛は泣き止んだ。

そして………

「こんな可愛い顔しちゃって…。

やっぱりママがいいのかしらね。」

「ほら、やっぱり心愛もママはお前だって思ってんじゃん。」

とても可愛らしい笑顔を向けてきた。