「もう私が……心愛の母親だもん。」

産んだのは私じゃないけど育てるのは…私。

だから、あの子のママは…私。


「え…!?あぁ、そうだよ。心愛の母親は今はもう千里だ。」

南は、キョトンとしている…。
きっと、意味がわからないのだろう。


「私…怖いの。

そのうち、心愛を連れ戻しに来ちゃうんじゃないかって…!

そしたら心愛は私から…。それに私だって…、“自分の産んだ子”って言われたら…何も言えない。その事実は変わらないし。」

これが本音。

私は自分の睡眠時間を削ってでも心愛との時間を大切にして私が母親になりたい。

心愛にとっての母親に。

「例えば…、いつか姉ちゃんが、日本へ帰ってきて心愛を連れていきそうになったら。
そしたら俺が千里と心愛を…二人を必ず守る。

千里の夫として、それから心愛の父親として。

だから頼むから、少し眠れ。

お前が倒れたりしたら…心愛の母親も俺の奥さんもお前だ。


お前がいなくなったら意味がないんだ!」