南Side

「千里は子供が好きなんだな…。
改めて思うよ。」

自分の子供でもないのに…すごい。改めて感じる。千里の強さと、凄さ。

「うん。私、子供好きなの!

だけど心愛は特別。だって形はどうあれ私の娘だもん。」

嬉しそうに話している千里の大きな瞳はキラキラと輝いていた。


そっか、そうだよな。血が繋がらなくても心愛は千里の娘なんだもんな。

だが、心の中で気になることがある。

「なぁ、勘違いなら別にいいんだけど千里、なんか焦ってる?」

俺の一言で千里の体がビクッと飛び跳ねるのがよく分かった。

子供好きなのは分かる。心愛を娘と思っているのも。

…だけど昨日、一昨日一晩見ただけの心愛への執着心は、かなり強い。

まるで、なにかを恐れているかのように。ただ、焦っているようにも見えた。

今も隣で俯いている千里。

君は今、なにを思ってなにを考えているんだ?

考えても、その答えは俺には見つけることが出来なかった。

すると…俯いていた千里は、さっきとは違う強い意志を持った目をして口を開いた。