私は先生のお嫁さん

「図星か…。全く…わかりやすいやつ。
千里といると退屈しないなぁ、むしろ時間が足りないくらい。」

そう言うと…、今度はニコッと無邪気に笑った南の笑顔はどこか心愛に似ていた。

私も微笑み返した。

そこまでは記憶にあるんだけど……。



気がつくともう車の中だった。

「あれ?いつの間に…」

私さっきまで廊下にいた気がする…。
そっからが思い出せない……。


「なんかボー、としてたからそのまま引っ張って連れてきた。」

「そうだったんだ。

あ、心愛迎えに…」

「お義母さんには連絡した。夕方行くからいい。

だから、頼む。ゆっくり休んでくれ。」

南は切なそうに笑いながら言った。

「だけど………」

でもやっぱり…時間があるかぎりはできるだけ一緒にいてあげたい。母親として……。

すると、南はため息をつくと頭を撫でてきた。

「南…?」

「分かった。そのかわり、家に心愛がいてもお前は寝てろ。

俺が見ててやるから。いいな…?」

うーん…ちょっと違うんだけど、まぁ、いっか。そばにいるのは同じだし。


「ありがとう南!」