私は先生のお嫁さん

そう言うと……南はすぐに、保健室を出た。

もちろん、右手には荷物。左手には私の手を、しっかりと握って。
本当は、南に手を握られて、喜んでいる私がいる。

だけど、その半面…もしも、誰かに私達のこの秘密な関係がバレてしまったら……そう思う私もいる。

やっぱり…甘えちゃダメ!そう思った時だった。

“放さなきゃ…!”

反射的に私はそう思った。たくさんの感情が入り込んでいてわたしの心は南と手を繋ぎたい。でも繋ぎたくない……。矛盾している。


「何をそんなに難しい顔してんだよ。」

「だって………


ねぇ、やっぱり…」

「放さねぇよ。」

「私まだ、なにも…」

「だから、どうせバレたら困るから、手を放せって言いてぇんだろう?」

「うん…。」

「放すわけないだろ?それよりか、そんなくだらない事を考えてる千里にはお仕置きを……と言いたいが…。

その…今日は我慢してやる。そのかわり、手、放すな。それがお仕置きだ。」

なんて優しいお仕置きなんだろう。