「4組の担任になった、白崎南です。

教師になったばかりでわからねぇ事ばかりだけど…

これから1年間、よろしくな(笑)」

そう言うと、南はまた綺麗な顔で優しくふわっと笑った。

そんな顔しないでよ。
また女の子たちの目がハートになっちゃったじゃん。

それにしても……。

私も見たこと無い“先生”の表情をしたな、南…。


「キャー////」

体育館中に女子生徒の黄色い悲鳴に近い叫び声がまたさっきよりずっと響き渡った…。


と、思ったら先生たちまでもが叫んでいた…。


「担任、白崎先生だな(笑)」

「……うん。」

南が担任になって嬉しいはずなのに…。

なんか素直に喜べない。

南を……他の子に取られちゃいそう。


「どうしたの?」

心配そうに見つめてくる篤哉君。

「う、ううん…
なんでも、ない…。」

「もしかして……
ヤキモチ妬いてんの?」

ドキン…

「まさかぁ―…。
別に…そんなんじゃ
ないけど………。」

「ねぇ、千里ちゃんって

彼氏いるの?」

彼氏……?

旦那様ならいるんだけど…

…とは言えるはずがないし………。

とりあえず、彼氏…?

「ん…うん、まぁ、一応ね。」