…私、さっきから泣いてばかり。
いい加減に学校行かないと…本当に間に合わない。


私、馬鹿だ……。

今日の学校はいつもより1時間遅らせるんだったぁー…。昨日、南が帰りに言ってたじゃん。

その時だった。教室のドアが開いた。

「お…おはよう、千里。」

篤哉だ。

頬が赤いけど、どうしたのかな?

「篤哉…おはよう。」

そういって笑った時だった…。急に真剣な顔をして私の両頬に手を添えて見つめてきた。

「え…ちょっと……!」


「…お前さぁ、泣いただろ?」

ドキン

「…なんで?」

さっき確認して目は腫れてもいなければ充血だってしていない。
涙の跡だってけしてあれはず。


「いつもと違う。」


いつもと、違う…?

どこが…?

確かに、泣いたけど…。

一体、どういうこと?
どこが違うの……?


「…いつもの笑みじゃない。

なんかね、寂しさの色の混ざった感じ。」

寂しさの色?
ますます頭にハテナが浮かんできた…。