私は先生のお嫁さん

言ってからハッとした。

私の馬鹿!
私が南くんを信じないで誰が南くんを信じるの…?


だけど、そう思ってもこれだけは、どうしても消えなかった。


私もいつか、

南くんに本当に好きな人が出来たとき……

捨てられちゃうんじゃないか。


って……そう思った。



「最低だな……。」


南くんの低い声が、私の耳に響いた……。
本当。私、最低…。
南くん…もしかして怒ってる?


「ごめんなさ……ッ!」

「いや…俺が。
千里は何にも悪くねえ。

ずっと好きだったんだ。千里のこと。

…俺、一応男じゃん?
好きな女が傍にいるって思ったらさ……

千里のことを、その…襲っちまう気がして…。

襲って恐がらせてお前に嫌われるのは…どうしても嫌でさ。

だから他の女…それも毎回、全く違う奴を千里だと思いながらヤッてたんだ。」

初めて聞いた、南くんの本音………。
私の、ためだったんだ。

私を……恐がらせないようにするための。

だから……だったんだ。

私…本当。
なんで信じなかったんだろう。

「ありがとう、南君

私の…ためだったんだね。

私は、南君なら怖くない。

だから……
もう他の女の子とそういうことは…

しないで………?」