私は先生のお嫁さん

時間が経つのはあっという間だ。
そろそろ、デートも終盤にのしかかってきていることが空の色から伺える。

来たときにはまだ晴天の青空だったけれど今はもう、赤いオレンジ色の様な空だ。


「もうそろそろ、終わりだね。」

私はレンタルしている犬を触りながら言った。

ルイ。
私が見た瞬間に心を惹かれレンタルしたミニチュア・ダックスで2歳の男の子。


ロングヘアーのブラック・タンで毛並みは艶っつや。


「そうだな、また来ような。」

そう言うと南はルイを撫でながら下から私を見つめてくる。

その顔はどこか妖艶な雰囲気が漂っていて目つきがなんかエロい。


南は、気づいていてやってるのかな?
私がその顔に弱いことを。

「明日は何時頃、帰る?」


「…ごめんな。」

「え!?何が…?」

急に申し訳なさそうに謝ってきた南。
どうしちゃったのかな?


「今日帰る予定だったけど、もうこんな時間だし…明日になったから。」


あぁ、そのことか。


「ううん。全然、いいよ。私だって時間を忘れて二人の時間を満喫しすぎちゃったし(笑)」