私は先生のお嫁さん

『なぁ…聞いていいか?』

「何?」

『なんで、さっき千里からあの場を離れようとしたんだ?』


さっきから考えるがいつもの千里ならあたふたしてそんなことには頭は回らないと思う。
だがさっきは違った。

「あ―…だって、私ばっかりいつも守ってもらってるんだもん。

私だって南の奥さんだよ?私達の恋愛は秘密の恋だからこそ私達で守らなきゃでしょ?

心愛のことも。
私達はどんな形であっても家族には変わり無いんだから。

そう思ったらとりあえずこの場は離れた方がいいって思ったんだ。」


こんなにも、千里が考えていたなんて知らなかった。
コイツも…この短い期間に“母親”になったんだな。

無性にそう感じた。

それから、さっきの寝顔の幼さからは全然考えつかないくらい大人な女って感じがした。

俺は千里を抱き寄せキスをした。

「ちょ…やばいって…誰かきたら……んん…ど…する、の…?」

『……大丈夫。誰もいない。』

そう言いながらも俺はゆっくり回りを見渡した。
千里に深い深い口づけをしながら……。