とある日一人の少年は、暗い夜の道を歩いていた。

気を付けて見なくては前が見えない程の暗い闇の道を、少年、名は月神幸織(つきがみ ゆきお)。

幸織は、高校の帰り道を歩いていた。

電灯が薄く光り、辺りを余計に暗く見せている。

幸織は一人で歩いている。

なぜなら幸織には友達も、特に話す人間もいないからである。

常人からしたら怪しげな人間に見えるだろうが、それは幸織が求めた世界。

幸織の家は普通の一軒家より異常に大きな家。

だが両親は幼い頃に事故で亡くしている。

それもこの暗い少年を構築させている理由の一つである。