『お前のこと殺せねぇ』




そんな日向くんの言葉が、私の頭の中をぐるぐる回る。



殺せないんだったら、私にとってとても嬉しいこと。



でも…なんかいつもの日向くんじゃない気がしてならなかった。



どうして殺せないの?



私だから殺せないの?




でも私は、その言葉を聞いて安心した。




私は、殺されないんだ…。



このとき、なんで日向くんが私を殺せないと言ったのか、それがわかるのはもう少し先のこと……。