「今日はここに泊まってく?明後日ここ、取り壊されるらしいし。ここにはお世話になったしな」



私が人質だったときに使っていた毛布を敷きながら、泰斗はそう言った。




「明後日!?」



明後日って、早くない!?



って、まさか…



雛姫さんがここの鍵いらないって言ったのも…



明後日ここが取り壊されるから!?



「はあー…」



雛姫さん…あんた、やっぱり最後の最後までそういう奴なのね。



まぁそういう雛姫さんも、今は結構好きだけどね。




「どうした晴香?」



泰斗は不思議そうな表情で私の顔を覗き込んだ。