「あ、ごめん泰斗。

今日はもう帰るね」



私が弱々しそうにそう言ったら、泰斗は目を見開いた。



そうだね、驚くよね。



いつも帰りの別れを惜しむのはあたしだし。



ただをこねるのもあたしだし。



自分から、泰斗を離れようとしたことがない。



「そ…か。帰るのか。じゃあまたな」



泰斗は引き留めない。



私はいつも引き留めてたのに。



やっぱり私は、泰斗にそんなに好かれていないのかもね?



そう思うと、余計悲しくなった。