「……殺人を卒業することだけじゃなくて、少しはあたしのことも見てよ…」



泰斗が大好き過ぎて、気持ちが抑えられなくなってきている。



私は携帯を握る手に力を入れた。




『あのな、晴香……っうわ!!』



突然泰斗の驚く声が聞こえたかと思うと、キキーッという車のブレーキ音と、何かが何かにぶつかる音が聞こえた。



一瞬、何が起こったのか理解できなかった。




ただわかるのは、電話口から泰斗の声が聞こえなくなったということだけだった。