シンプルな真っ黒のタートルネックのシャツ。

タイト過ぎない黒のパンツ。



白衣と引き換えに
同じくソファーに無造作に
放り出されていたカーキ色の
ミリタリーシャツを羽織った。


色味の少ない装いだったけど・・・。


それが長身の先生を
一段と引き立てているようで


正直に言って見惚れてしまったんだ・・・。



だから。



「・・・残るのはお前の勝手だけど・・・。

ココは出てクレマスカ。

鍵がかけられないんデスケド」



すでに扉の所で体を半分出した先生が
呆れ顔でそう言ったのに
すぐに反応できなかった。



「・・・え?」



「変わってるねぇ・・・。

学校がそんなにすきなんて」



「っ!!の、残りたくて

残ってるんじゃないんです!

携帯が・・・そう、

そうです。携帯返してください!!」


はっと我に返って
自分の鞄を掴むと

先生の所へと詰め寄って
手を差し出した。