「リサ・・・この前一緒に買い物行ったときの
ワンピ、着るんでしょ?


連絡して、駅まで来てもらえば?」


そう言うと、リサは少し困ったように笑った。


「それがねぇ・・・。
今日に限って・・・ホラ」


リサに差し出された携帯を見ると・・・。


「・・・え?充電切れ?!」


思わずリサの携帯を握り締めて
見つめてしまった。


「うん・・・。

昨日海里と、夜中ずっと話してたんだぁ。

やっとワンマンだねって!
海里が『コーフンして眠れない』とか
可愛いこと言うから
ついつい長電話になったんだよねぇ。


充電しなきゃって思いつつ
寝ちゃって・・・。

そしたら!

今朝遅刻寸前で、
お母さんとケンカしてたら
充電器忘れたの・・・」



リサは、ばかだよねぇ私と言って
弱々しく笑った。

私はなんとか
リサに笑顔になって欲しくて
思わず自分の携帯を差し出した。


その後の運命を知る由もなく・・・。