圭矢のけじめってなんだろう…

京都に帰ったら話すってどんな事だろう…

気になる

また不安な気持ちになっちゃうよ…

でもどうして私こんなにドキドキしてるんだろう

圭矢の一つ一つのしぐさや言葉に反応してしまう…

ただご飯食べてるだけなのにドキドキして

ただタバコ吸ってるだけなのにドキドキしてる

ずっと圭矢と一緒にいたら私の心臓やばいよ…

またほら圭矢のほう見てる…

ストーカーとか思われたらどうしよう…

見ると圭矢のシャツに血がついている

そういえば着替えなんてもってきてないんだよね…

この間着ていた服と違う

青の上等そうなカットソーに黒のズボン。
高そうな服…

かっこいいけど

あの女の人の見立てなんだろうな…

ちょっと妬ける…

「圭矢ちょっと私出かけていいかな?」

「どこ行くの?」

圭矢のシャツ買いにいくって言ったら圭矢はたぶん要らないって言うだろうな…

「内緒」

「じゃあ行かせない」

圭矢がぐっと私の腕をつかんだ

その目はすごく真剣で怖いくらい強い瞳で私を見ていた

もしかして何か誤解してる?

「圭矢の服を買いに行こうかと思って…」

「服?」

と言って圭矢が自分の服を見る

「要らないよ」

やっぱり言った

「だって血がついてるよ」

「このくらい大丈夫だよ」

「だって少し破けてるよ」

「このくらい大丈夫だって」

「だって…だって…嫌なんだもん」

彼女の選んだ服着ていてほしくないんだもん…

「気がつかなくてごめん こんな血がついてる服の俺と歩きたくないよな…」

謝らないでよ

「違うの…」

「何が?」

「だって…彼女の選んだ服着ていてほしくないんだもん…」

嫌な女だよ恥ずかしい…

顔が真っ赤になった

そんな私を見て圭矢が

「嬉しい…」

って抱きよせた

「俺も一緒に行っていい?」

やっぱり私のお見立てじゃ不安だよね

でも一緒にいられるから嬉しい

「いいよ 一緒に行こう」