あれから3日

圭矢は帰ってこなかった

何度か電話をしたけど留守番電話になってしまう

もうあきらめろって事なのかな?

ピーンポーン

インターホンがなった

玄関の扉を急いであけると柴崎さんが立っていた

「結局連絡なかったから…」

りんごがたくさん入ったビニール袋を私の手に持たして

一目で状況を察したのか

「お前ボロボロじゃん」

と私の頭を優しくなでる

その言葉とやさしいしぐさに自然と柴崎さんの胸で泣いた

「バイト来いよ」

私を抱きしめながら柴崎さんがつぶやいた

思いもよらない言葉に嬉しくて

縦に軽くうなずいた

「一番新米だからお茶入れは伊藤さんの仕事ね」

そういって笑う

「そんな仕事ないじゃないですか!」

「今日から俺が作る(笑)」

そういってまた私の頭をぐしゃぐしゃなでる

「あっそうだこれやるよ」

柴崎さんが箱を差出た

「何ですか?」

柴崎さんがニヤニヤ笑う

「気持ちわるっ」

と言いながらあけてみると

湯のみ

しかも女って書いた

「柴崎さんこれってまさか…」

「そっピンクに代わる俺とおそろいの奴、いいだろやっと見つけたんだぜ」

っと嬉しそう

この湯のみはどうかと思うけど

圭矢がいなくなって以来、心から笑えた瞬間だった