遅い…

クレープ屋の前のベンチに腰をかけて10分

大きいほうかな…
とかも思いながらひたすら圭矢さんを待つ私

もしかして置いていかれたとか…

「ごめん かなり迷って」

息を切らせながら走ってきてちょっとびっくりした

「外で食べようか」

そういってクレープを受け取って微笑んだ

歩きながら女の子たちが圭矢さんを見ながら

「かっこいいあの人」

とか聞こえてくる

そういう声が聞こえているはずなのに圭矢さんは素のまま

慣れてるのかな?

海を見ながらベンチに座るとすごく気持ちがいい

あちこちにカップルがウジャウジャしている

私たちもカップルに見えるんだろうか…

優しいし、羽振りもいいし、かっこいいし、スポーツ万能だし、かなりもてるんだろうな…

きっと私なんか遊びの一人だよね…

クレープを食べ終わると少し恥ずかしそうに何かを私の方に差し出した

「これやる」

見るとさっきの石がペンダントになっている

もしかしてトイレってこれ買いに行ってたの?

あの店かなり遠かったよね?

息が乱れていたのはこれのせい?

あっ何かすごく嬉しい

「ありがとう大切にするね」

涙が出てきた

「おい泣くなよ」

圭矢さんが困ってる

でも嬉しくて涙が止まらなかった