三歳の夏
遊び疲れて帰った夜。
寝室で眠ったあの時。
起きなければ良かった、と後悔する日々が来るなんて微塵も思っていなかった。
母を求めてリビングに向かう
ドアを開けようとノブに手を伸ばした。
聞こえた、ガラスの割れる音・母の悲鳴。
瞬間ドアが開き、父を見た。
そのあと、真っ白な景色が広がり・・・・
永遠の暗闇に変わる。
そのうち見えるようになるよ、と聞いた医者の声。
あの日から、母も父も声を聞いていない。
愛に飢えた私。
なんて無残なんだろう。
光なんて無い。
夢は?
この眼でもう一度
家族と
夕焼けでも眺めてみたい。
そんな事さえ叶わない。
私のこの眼を奪った人を家族と言える自分の気が痴れなくなる。
それでも
家族だったから・・・