私は黙って頭を横に振った

「…分かった。いつか、言える時が来たら、言ってね?」
私は一回だけ、ゆっくりと頷いた

「いーこ、いーこ」
雪はいつもの様に、無邪気に笑って、私の頭を撫でた

…良い子なんかじゃ無い。
私は卑怯な事を考えてる、最低な女だよ。

「…着いたぞ」
日向の声と共に、車が止まった。私は、自分で歩こうとしたけど、強制的に、直人に抱き上げられ、車から降りた。


そこは、倉庫でも無ければ、日向のお家でも無い。……学校だった。

制服じゃないけど、大丈夫なの?
「ゴメンね?美姫。今日は学園祭の出し物決めがあるから、学校に来たんだよ?」
「…俺ら生徒会だから、今日は来ねぇといけねーんだよ」

……生徒会?
私、等々耳が悪くなったか。
もう、補聴器時代か?

「…プッ!!…美姫、耳悪くなったとか思ったでしょ?」
……はい。

「当たってるよ。俺ら、生徒会」
「……はい―――…ってええ゛?!」
驚きの余りに、涙も引っ込み、目を大きくした。

いや。
ウソでしょ?

まさか?!
それも、何?

貴方達、仮にも暴走族のトップなんですよね?!

「アハハッ!!やっぱり?」
「…美姫も俺らと一緒に来い。1人は危険だ」
日向の言葉で、私も生徒会室に行く事になった。

……生徒会室に着くまで、大変だった。