恋をはじめます。

キーンコーンカーン…

「んん~ やぁっと終わった」

「昼休み~♪」

もうお昼休み…か…

なんだか早いなぁ…

「さくらっ おべんと忘れたから購買付き合って!」

「え? いいよ~♪」

「助かる!」

「さ~くらチャ~ン♪」

平沢クン?

「へ?」

「俺ん分も買ってきて♪」

な・・・なんで!?

「え…ハイ??」

「お願い☆」

「うん…?」

って何OKしちゃってんのわたしぃ!

ただのパシリだよぉ~!?

「サンキュっ♪」

「あ、メロンパンね~」

「は…はぃ!」

ドッキドッキ…

「ちょっと!いつの間にあんなに進展したの!?」

のどかちゃんが小声でわたしに驚きを訴えてる。


「え!?そそそんなことないよ!?」

あわてて平然を装う。

「あるって!」

「でも今日先約があるからって、下校断られちゃった…し…」

「は!? なにそれ…早っ!」

「早いよね…」

シュン…

やっぱりショックだぁあ~…

「じゃあ今日『明日帰ろッ』て誘っちゃえばいいじゃん!」

「え!?」

そ…そんな手があったか!!!

「頑張れ!」

「…うん!!!」

そうだ! メロンパンにメモ帳で一言・・・♪

それにしよう!!

「さくら~? 何書いてんの?」

「平沢クンへの『明日一緒に帰りませんか』だよぉ」

「おお! メロンパンに想いを込めて♪」

「そぉそぉ♪ えへへ」

なんとなく照れ笑い。

「できたっ」

『平沢君へ 
   明日の放課後は一緒に下校できますか?
                  山本さくら』