恋をはじめます。

「わぁ~♪」

すごいすごいっ!! 遊園地って初めて!!!

しかも隣にいるのは…大好きな大好きな葵君っ!!

繋がれた手が現実を知らせてくれる。

私、今人生で最大級の幸せを感じてるかもっ!?

「すごいねっ!! 葵君!!」

「ん…あぁ?」

あんまり驚かない葵君。

「私、遊園地って初めてなの!!」

「まじ? じゃあさくらのスキなん乗るかー」

え…ホント?

嬉しいっ!!

「やったぁ♪」


葵君からのお許しを受け、私はやりたい放題☆

「あーおーいクーン♪ これ乗りたいっ☆」

なんだかすっごいテンション上がるゥ~♪

「ふ…マジかよ」

私が指差したのは、水に突っ込むとこももあればグルグル回転するとこもある、なんとも凄まじいジェットコースター。

そんなわたしの目に次に留まったものは…

「雑貨屋さん!!」

グイグイ葵君の手を引いて店にはいる私。

「痛いってば」

そんな葵君の声にも気づかない。


「かぁ~わ~いぃ~♪」

私の心を掴んだのは、ペアのリング。

「葵君っ!! ペアだよ!! 買おっ!?」

葵君の気持ちをまったく考えなしの私。

だってだって、おソロい欲しいんだもん~!!

「恥ずかしいじゃん」

そうだよね…でもやっぱり欲しい!!

「お願いぃ!」

「やーだー」

ぷぅ!! 怒ったフリをし、頬を膨らませ葵君から顔を背けた。

「じゃ私も買わない」

意地っぱりの私。

だって葵君と一緒じゃなきゃ意味ないもん。

「なんでだよ」

呆れ気味の葵君。

「いいのっ! それより早く乗ろ!?」

無理に明るく振舞う私。

お揃い欲しかったなー…。