恋をはじめます。

「オーッス♪ さくら」

私の妄想を止めた葵君の声。

心臓が跳ね上がる。

「ぅわぁっ!!」

しまった!! また叫んでしまった…

「ははっ またかよ。んで、どこ行く?」

へ? 決まって…ないの?

「…?」

「?」

2人の頭に?が浮かぶ。

「じゃ、映画館でも行こっか?」

映画…もっと2人の仲を深められる場所の方がいいな…

って!! また自分勝手なことを!!

「ど、どこでもいいよっ…♪」

平然を装う。

遊園地とか…いいなぁ

でも映画もきっといいハズ!だよ!!

「ふーん、そっか。 遊園地がいいんだ♪」

「へ?!」

な、なんで分かるの!?

「テ…テレパシー!?」

「ぶっ さくらのコトはなんでも分かっちゃうんです~」

ドッキーンん!!

ぎゃっ

反則だってば! その顔!!

なんだか葵君、今なんか飲みたそう?かも?

無理矢理自分に言い聞かせて、仕返しとばかりに言ってみる。

「なんか、飲みたい…よね?」

「!! なんで分かんの?!」

えっ!! 当たった…?

「て、テレパシー…」

ビックリした様子の葵君。

「葵君のコトはなんでも分かっちゃうんです~っ」

真似して反撃!!

「ふっ…はははっ!! お前最高♪ 惚れ直した」

ほっ…惚れ直したァ!?

ドッキドッキドッキ…


キュッ

追い討ちをかけるように繋がれた手。

ドキーッ!!!

私の血圧はMAX!! 同時に体温も上がる。

みるみるうちに顔が赤くなって…

「さくら、真っ赤」

そういう葵くんも真っ赤な顔してた。