「嘘って、どういうこ…」 『少し親父を反省させてやろうと思って、つい』 「ええっ!?」 『優香さんの涙を見てたら、親父に無性に腹が立ってさ』 「…」 『でもさすがにやりすぎた、ごめん。親父には全部話したよ』 「じゃあ、あたし達何も…?」 『当たり前じゃん』 「…よか、った」 あたしはその言葉を聞いて脱力してしまった。 『でも 優香さんのこと、ほっとけない、抱きしめたいって思ったのは事実だよ』 電話の向こうから聞こえる、健くんの小さな声。