「2人とも電話出ないから、もしかしたらって思ったけど…」 「…」 先生は予想以上に辛そうな表情をしていた。 「またアイツが無茶言って前田を連れ回したんだろ? 何かあったなんて冗談だろ?」 「…じゃな、い」 「え?」 「冗談じゃないよ。あたし…、記憶がないけど確かに健くんと一晩一緒に…」 「…」 「情けないよね」 「…マジかよ」 先生はそう呟いて頭を抑えた。 「あたし、もぉ…、会えないよ。健くんとも、先生とも」