「ちょ、優香さん!?」


あたしは自分の荷物を持って、部屋から飛び出そうとした。

そんなあたしの腕を健くんが慌てて掴む。

「どこ行くんだよ?」

「どこって帰るのっ」




…プルルル




次の瞬間、あたしの携帯が鳴り響く。




「…先生」

ディスプレイに表示された先生の名前。


「出ないの?」

「出れるわけないじゃん」

「…あ、俺の携帯にも何回もかかってきてる。そーいや無断外泊だったな」