「え…」 「先生と健くんがそれで笑って暮らしていけるなら」 あたしは無表情のまま言葉を続ける。 もちろんこんなの本心じゃない。 「3人が家族としてやり直したいなら、あたしはー」 「前田…」 「あたしも子どもじゃないから分かる。恋愛感情よりも、もっと譲れないものもあるんだってこと」 「…」 嫌だって言ってほしい。 俺は前田が好きだってー。 「…ごめん、前田」