「もう見てらんねー!」 「ちょ、健く…!?」 立ち上がろうとした健くんの腕をあたしは慌てて引っ張る。 だけど既にもう遅かった。 「…健? 前田!?」 あたし達の声に気づいた先生が、驚いたようにこっちを見つけている。 「お前ら何して…」 「それはこっちの台詞だよ! 玄関先で何してんだよ!?」 健くんが先生のほうに歩み寄る。 「一体何考えてんだよ? 親父もお袋も」 「…」 「大体、親父は優香さんっていう…」 「健くん!」