君と一緒に幸せを探して。

「うちね...。琉斗に逢った時..ひ、一目惚れしたんだ・・・。」


「......」


「で、ずっとずっと逢いたかった。」


「お、俺も...。あの時の事を思い浮かべば思い浮かぶ程、雛の事が好きになって行った。」


「うち等......つ、き..付き合おう。」


「ぅ、うん。」


そして、俺たちは春が終わりに近づく頃の夕方、校門の前で時間も忘れて静かに....


───キスをした。


この時、初めての経験だった。


“キス”というのは、こんなにも温かく、優しいなんて想いもしなかった。


でも終わりを告げる、切ないキスもあるなんてことは、この時俺は想いもしなかった。


ってか想いたくなかったかも知れない。


“この時の幸せがいつまでも永遠に続きますように”俺はこう願った。


そして今日の長い長い日が終わった。