光梨SIDE


「ただいまー」

「お帰り~光梨ッ!」

ギュゥっと抱きしめられる。

「く、くるしいよッ・・・・!お兄ちゃん!」

あまりの激しさにめまいがした。

「んーちっちゃくて、カワイイ!しかも抱き心地最高!」

などと言い漏らしている。
このバカ。

青チェックのエプロンをしているこの目の前の男こそ、
“綾原誠人(あやはらまこと)”、大学1年。



私の兄。



背がとても高い、この男。
186cmあるとか・・・・・・。

なんでそれで、私は162cmなんだろう・・・・・・。
などと、思っていると。



ガチャ。
玄関が開く。