「へぇー。相思相愛ねぇー。お前と?…園原先輩が?」







「おい!勝手に見んなよ!」







俺はあわてて電子辞書をとじた。









「無愛想な色男もついに恋したわけだ」





無愛想って、姉貴みたいなこと言うな。





「うるせえなぁ…何しにきたんだよ」







「お前に伝えたいことあってさ。…あの噂、マジかもしれないんだよ」






「はぁ?」






「今日、優子が俺に声かけてきたんだよ。『橋元君、おはよー』って」






「へぇー良かったな」






「なんだよ、その棒読みなセリフ」







「挨拶されただけだろ?」







「でも、お前は優子に挨拶されたことあるか?無いだろ?男できっと俺だけだよ」









勝手に決めつけんなよ。







「気のせいだと思うけど」







「あー!わかった。お前、園原先輩と上手くいかないから、優子と上手くいってる俺に妬いてんだろ?」