外に出ると

春の匂いがした。


ふと地面にアスファルトの隙間から、タンポポが顔を出している。


―そっか、もうすぐ春なんだな。


春ははじまりの季節。



いつまでも過去のことを引きずっていたら、前に進めない。

はじまりをむかえられない。



そろそろ、忘れないとな。

いつまでも引きずってたら

鈴原も前に進めない。

大切な彼女を傷つけることにもなる。




よし!

今日でけじめをつけよう。



一歩進むために。