「んで、俺の親父がお前の親父に『冬姫が心配だー』って泣きつかれて、俺に白羽の矢が立ったってわけ。わかったか?」
お父さん……。
そうなるだろうとは予想しとったけど、まさか同居相手まで寄越してくるとは……。
予想の範疇を遙か越えるお父さんの行動に、ウチは何も言えんかった。
ただ、こっぱずかしい…。
そこまで心配されるとは、全く思っとらんかったから。
「つーわけで、俺はここに住むからな」
「ぅえっ!?あ、うん。わかった」
わざわざ引っ越しまでしてもろたのに、さすがにここで好意を無碍《むげ》にはできひんもん。
それに、一人暮らしって寂しいし…。



