「冬姫くんは目を瞑って」



何があるのか全くわからないまま、言われた通りに目を閉じた。



何やらゴソゴソと動いているんやろうけど、いくら考えても何をすんのかわからへんまんま。



「開けろ」



久世の声にソッと目を開けたウチの視界に飛び込む大きなケーキ。



真ん中のプレートには『HAPPY BIRTHDAY☆FUYUKI』の文字。



「何……コレ…」


「誕生日だろ、お前の」


「ウチ…の?」



そう言えば……。



確かにウチの誕生日で――…お父さんの言葉を思い出したら、何でか涙が出てきた。