「通りすがりなら、何してんだよ」 「それはー……」 返答に困っているボッサボサ頭。 それでも容赦なく、「言えよ」って低い声をお出しになる久世。 「通りかかったら、怪しい人影が……!」 「あ?」 怪しいんはアンタやろ!? 「ただのストーカーです…」 蚊の鳴くような小さな小さな声。 久世の低い声に負けて呆気なく吐いたボッサボサ頭は、きっと顔面蒼白やろう。 「失せろ。じゃねぇと警察突き出すぞ」 「消えまーす……」 今までのは、何やったんや……。