「誰だ」 「あ、え……」 ドスの利いた低い声に恐れているだろうボッサボサ頭の人。 確認するコトができへんのは、久世にガッチリと抱き締められているから。 程よく筋肉の付いた胸板に、ギュッと押し付けられるウチの顔。 「誰だっつってんだろ」 「通りすがりの者で……」 ココまできて通りすがり!? そんなワケあらへんやん! 昨日からめっちゃ見られてたし、何か部屋まで現れたし! 往生際が悪いにも程があるってもんやろ。 ココまで来てしまっとんやし、何でおるんか白状しぃや!