「やめてくれ…」


「あら、いいじゃないの」


「犬預けに来ただけだろ」


「えー!」



プクゥと頬を膨らませるお母様は、やっぱり可愛い。



こんな可愛いお母様から、何で久世が生まれたんかわからん……。



「京ちゃんたちの為に、お夕飯の材料いっぱい買ったのにぃ!」


「雨宮が明日の朝迎えに来るんだよ」



潤んだ目をするお母様に目もくれず、ソファに座る美香さんに近付く久世。



「美香、この犬な」


「はーい」


「頼んだぞ」