「……」


 ヤッキーは両手で筒を作り、右目で望遠鏡みたいにして星空を覗く。


 「マジで…サイコー!」


 ヤッキーはウレシそうに…大声を上げる。

 両手を満天の星空に広げ、銀に輝く星を掴むようにグーを作った。


 ウレシイ気持ちは分かるけど…オーバー過ぎだな~半分…呆れていた。



 星空の次は夜の海に二人で視線を向ける。


 星空とは違い…ヤッキーは沈黙しながら唯、眺める。


 ボクも同調して…沈黙。


 さざめく波音が…僕の心を感傷的な気持ちにさせる。


 「…ボクもさ…もう少し…女の子らしい方がいいかな?」


 ボクは可愛い妹たちが引っ掛かった。




 「……前世のボクは別人なんだろ?きっと…妹たちみたいに…女の子らしく
てしとやかだったんだろ?」


 「……お前がそうして…男みたいに振舞うのは…きっと…俺たちの為だ…」


 「えっ!?」


 ヤッキーの瞳が夜の海からボクの顔に向かう。