ボクを使い…夜の海に逃げた。


 「あの二人に任せておけば…いいだろう~」


 「……」


 ヤッキーには悪いと思いながらも…恭と二人で…こうして…同じように夜の海を眺めたことを思い出す。


 「静かな海だな~」


 砂浜を二人で歩き、夜空を見上げる。


 金色の半月が輝き、満天の星空。


 ヤッキーは顔を天に向けて、瞳を大きく見開き、しばらく星空に魅入る。


 「東京都なのに…何?この満天の星…めっちゃすげぇ~」


 「此処の空気は澄んでるから…東京なのに…田舎だけど…星はキレイに見えるだろ?」


 「ああ~」