ふたりのストーリー




「席は遠いね…」


華が残念そうに私の席にくる



「あたしの後ろ
まだ来てないんだけど…?」


男女バラバラのこの席順


女の子がいいなぁ…







「はい席つけ~」



入って来た新しい担任は
なんと合田林太郎通称ゴリだった



みんながキャーキャ-騒ぐなか



私と華は顔を見合わせて
凄い顔してみせた





「ざわつくなよ-
じゃぁ出席をとる-
周り居ないとこ教えろっ」





し----ん……




えっ……
後ろ居ないんだけど
隣の人気づいてないの…?





「あたしの後ろ居ないけど…」



「こいつはしょーがない奴だなぁ…」



みんなが私を見ている気がするのは気のせいか?





ガラッ


「あー教室入ったし
もう切るは…じゃ!」



ピッ

「没収!」



ゴリは素早く彼の手から
ケータイを抜き取った




「うゎマジで…
担任ゴリかよー帰り返せよっ…」






「俺の席~俺の席~?
俺の席どこ?」


明らかに私の後ろしか
空いてないのに
聞いてきた…





ゴリは彼のことを無視して
主席をとりはじめる




「…あたしの後ろだけど、」

「知ってる、よろしくゆずなっ」
「だれ!?」


驚きすぎて間髪入れず
しかも大きな声で聞いてしまった…


「だれじゃなてハイだ
水川ゆずな!!」


本日2回目のゴリからの注意…


「はい…」



「矢沢雅人」

「んっ…」
後ろから低い声が聞こえる


「返事はハイだろーが…
じゃぁ始業式行くから
出席番号順でローカ並べ-」






矢沢雅人か…
私は知らないのに
あいつは私のこと知ってた…