とりあえず、ちなちゃんを家まで送ることにして…
その車中…
「ちなちゃん。」
ずーっと黙ったまま外を眺めてるちなちゃんに声をかける。
「何ですか?」
ちょっと不機嫌そうなちなちゃんが愛くるしい。
「ハンナちゃんとは俺なんにもないよ。」
「え…?」
「ハンナちゃんは店の唯一の従業員だし、てかハンナちゃんが俺を相手にするわけないし。」
「へ、へぇ。」
チラッとちなちゃんを見ると、何だか少しホッとしたような感じ?
お?誤解とけてきた感じ?
「しっかし、ハンナちゃんも買い付けから帰ってきたと思ったらおめでただしなぁ」
「え…?おめでた?」
「あれ?ハンナちゃんから聞いてない?
彼女、今妊娠してるんだよ。」
「そ、そうなんだ。」
ちなちゃんはビックリして、しばらく考え込むと突然、ハッと俺を見た。
「だからいつもハンナさんに
優しかったんですか?」
「あ~そうだけど…どうして?」
そう聞いたけど、ちなちゃんは何故か恥ずかしそうな顔をしながら、窓の外を見て何にも答えてくれなかった。