「もう天使なんすよねぇ…。」
「ちょっとよだれ垂れてる。」
おっつ…。まこちゃんのことを考えるとすぐこうだ。いかんぞ、俺。
「そんなにホレたんなら、告っちゃえばいいじゃない。」
「でもまだ出会ってから間もないし…」
「宮川くんはまだ20そこらだし、そのピチピチの女子高生でもイケるわよ。」
「でもまだその子のこと知らないこといっぱいあるし…」
俺があれやこれやと言い訳を繰り返していると、人生でも恋愛でも先輩な夏紀さんはこう言った。
「いい?一目惚れも長い片思いも言ってみれば一緒なのよ。相手のことをいくら知ってても、苗字も知らなくても、気持ちを伝えなきゃ始まらないのよ。気持ちを伝えて、結果がどうであれ、それで前に進めるのよ。わかった?」
夏紀さん…。
恋愛の教祖?
確かに夏紀さんの言うことは最もだ。
気持ちを伝えなけりゃ、始まらない。
「夏紀さん、すげーっす。
俺、明日告ります!!」
「あ、そう?頑張んなさい。ていうか、その“っす”ってなんとかなんないの?」
「無理っす。
てか、今から緊張してきたんすけどっ!」
てなわけで、夏紀さんの助言を受けて…
俺はついに明日まこちゃんに告るという重大な決心をした。



